国際福祉相談所文書
【資料の名称】国際福祉相談所文書
【資料ガイド】沖縄関係資料>団体文書>国際福祉相談所文書
【文書の概要】
国際福祉相談所は、1958年に国際社会事業団沖縄代表部として設立されて以来、1998年の閉鎖まで40年にわたって、国際養子縁組を中心に国際結婚や離婚、国際児に関する相談業務を担い、戦後沖縄における国際福祉と児童福祉の向上に貢献した団体です。主に、国際養子縁組やさまざまな相談業務、無国籍児問題の解決や外国籍、無国籍児の福祉向上に向けた取り組み、国際児を含む青少年の健全育成などに尽力しました。なお、団体の名称は、1972年に社会福祉法人国際福祉沖縄事務所に、1980年に社会福祉法人国際福祉会国際福祉相談所に改称されました。
国際福祉相談所文書は大きく2つのシリーズに分かれます。一つは、理事会議事録や事業報告書、予算や職員に関する書類など団体の運営に関する文書です。もう一つは、相談事案ごとに綴られたケース・ファイルや養子縁組に関する書類、無国籍児問題に関する書類などの業務内容に関する文書が含まれています。
本資料群は、2009年、国際福祉相談所にて長くケースワーカーを務めた平田正代元所長より寄贈されました。
【シリーズ・リスト】
1. 運営に関する文書
2. ケース・ファイル
【数量】95件
【公開日】2019年5月21日
国際児童年―沖縄からの提言
(無国籍児問題に関する資料 資料コード:0000146880)
1979年、国際福祉沖縄事務所は、国際児童年にあわせて「国際児童年―沖縄からの提言」を発表しました。提言は、共同通信社から配信され、沖縄の無国籍児の実態を広く日本社会に知らせ大きな反響を呼びました。そのなかで、無国籍児の発生事例を示しながら、父母のどちらかが日本国籍ならばその子どもに日本国籍を与えられるよう国籍法を改正し、無国籍児の発生を防ぐべきだと訴えています。この提言が国を動かし、1985年の国籍法改正につながりました。
国際結婚に関する資料(資料コード:0000146881)
国際福祉沖縄事務所の1970年度事業報告書には、国際結婚をした夫婦の相談事業とグループ活動を強化し「国際結婚夫婦に関する調査」を実施したとあります。このように同事務所は、国際結婚の家庭の実態調査を通して相談事業の充実を図っていました。
本資料は、国際結婚をした日本人妻たちの対談および米国人夫たちの対談記録です。交際のきっかけや日々の生活、子育てへの意識の違い、海外での生活や親類との交際、人種への意識など、1970年当時の国際結婚家庭のリアルな実態が読み取れます。
【参考文献】
『戦後沖縄における労働とジェンダーに関する基礎的研究 戦後沖縄をめぐる国際福祉相談所関連資料群 ―平田正代資料集―』(研究代表者 成定洋子)
2023年度科学研究費助成事業・基礎研究(C)
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