沖縄県公文書館ではこれまで、沖縄戦中および米国統治時代に米国政府機関が撮影した写真資料を多数公開してきました。2017年度（平成29）からは、「沖縄振興特別推進交付金」を活用し、沖縄県が米国国立公文書館から収集した沖縄関係資料の整理・公開事業に取り組んでいます。今回、そのうち、USCAR広報局写真資料11,481点を公開しました。（2021年7月30日）

【資料の名称】

• USCAR広報局写真資料

【資料ガイド】

• 米国収集資料＞米国国立公文書館＞Archives II（カレッジ・パーク）＞RG260: USCAR文書（第二次世界大戦米占領司令部文書）＞広報局＞写真資料

【資料の利用方法】

• 〔閲覧〕
  閲覧室において写真アルバム（光ディスク・紙）が閲覧できるほか、本ホームページ内「資料検索」にある「所蔵資料検索」または「写真が語る沖縄」にて閲覧できます。
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• 〔複写〕
     当館閲覧室において持ち込みパソコンへのデータ複写（無料）又はコピー機での複写（有料）ができます。また、遠隔地複写や業者複写のサービスも利用可能です。

【公開日】2021年7月30日

USCAR広報局とは

　USCARは、琉球列島米国民政府（United States Civil Administration of the Ryukyu Islands）の略で、1950年（昭和25）12月に設置され、1972年（昭和47）5月の日本復帰まで存続した米国政府の出先機関です。

●参考　☞ 【レファレンスQ&A】USCAR文書とはどのような文書ですか？

　USCAR広報局の主な任務は、以下の通りです。
　　①米国による統治政策の目的及び事業内容ならびにその進捗を琉球住民に伝えること
　　②米国統治下の琉球の発展について、琉球住民、日本、米国、その他の地域へ知らしめること
　　③在沖米軍基地の効力を最大限発揮できるようＰＲ活動および情報収集を行うこと
　　④メディアとの関係維持を図ること
　　⑤東京の国務省情報局と連携し、米国情報庁（U.S.Information Agency）の窓口となること

　USCAR広報局写真資料は、①②のような広報活動のために撮影された写真で、USCARが刊行した広報誌『今日の琉球』や高等弁務官府が刊行した『守礼の光』、プレスリリース、壁新聞などに広く活用されました。また、広報用に撮影されたため、そのほとんどに撮影された場所や人物などについて詳細なキャプションが付されており、撮影された状況を知ることができます。
　これらの写真には、USCARの功績が記録される一方で、当時数多く発生した事件・事故など米軍基地から派生する弊害等は一切記録されていません。その意味で、USCARによる情報政策の一端を映し出す資料群だといえます。

米国国立公文書館における主題分類一覧と収集・公開した主題

　米国国立公文書館では、広報局の写真資料は下記のようなカテゴリー別に分類されており、今回収集・公開した写真は「010 General Education」（一般教養）から「560 Awards」（表彰）までの主題です。

*印は収集・公開した主題