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沖縄関連資料

ルヴェルテガ少尉撮影首里那覇写真

【資料の名称】ルヴェルテガ少尉撮影首里那覇写真
【資料ガイド】沖縄関係資料>古文書>ルヴェルテガ少尉撮影首里那覇写真

【資料の概要】
 本資料は、フランス艦船の乗組員として琉球を訪れたジュール・ルヴェルテガ海軍少尉(Jule Joseph Gabriel Revertegat)が1877年(明治10)5月に撮影した首里那覇写真3葉です。これらの写真は、2021年現在で確認できる最古の写真とされており、戦前の首里城や崇元寺の様子がわかる貴重な写真です。

 ルヴェルテガは、1875年(明治8)から1878年(明治11)にかけて極東航海を行ったフランス海軍巡洋艦船ラクロシュトリ号(アンリ・リウニエ艦長)に乗船し、寄港地の沿岸絵図記録と写真撮影の任務を担いました。1877年5月、ラクロシュトリ号は琉球に寄港し、一行は首里城を訪問しました。ルヴェルテガが1882年(明治15)に発表した紀行文「琉球諸島紀行」(Jules Revertégat「Une visite aux îles Lou-Tchou, 1877」、『Le Tour du Monde, XLIV, 2,(世界一周旅行)』所収)には、当時の琉球の人々の様子や首里城訪問の記述とともに、写真をもとに描かれた挿絵も掲載されています。

 写真原版の所蔵者は、アンリ・リウニエ艦長の曾孫でフランス海軍史研究家のエルヴェ・ベルナール氏です。2021年8月6日、京都大学名誉教授の伊從勉氏より、写真原版を接写したデジタルデータが当館に寄贈されました。

資料の利用方法

  • 〔閲覧〕
       閲覧室において、光ディスクに保存した画像がご覧になれます。
  • 〔複写〕
       当館閲覧室において持ち込みパソコンへのデータ複写(無料)ができます。
       また、遠隔地複写業者複写のサービスも利用可能です。
  • 〔書籍やテレビ等で使用する場合〕
  •  出版物等掲載許可申請が必要です。
  •  ※本資料を使用する際には、必ず「原版所蔵者:Hervé Bernard, France」または「Courtesy of Mr. Hervé Bernard, France」と原版所蔵者を明記してください。

【数量】3件

【公開日】2021年9月28日

 

Environs du palais de l’Ô-Sama, à Tchouri. 首里城周辺(首里王城の図 / 瑞泉門遠景)〔資料コード:0000206567〕

 

瑞泉門の遠景をとらえた写真で、階段には多くの人が写っています。
本写真には「Environs du palais de l’Ô-Sama, à Tchouri.(首里城周辺)」と書かれていますが、ルヴェルテガの紀行文「琉球諸島紀行」に掲載された版画には、「Château royal des Lou-Tchou.-La porte de l’Heure.-(首里城―時の門―)」とキャプションがあります。

●「琉球諸島紀行」に掲載された版画は、ラブ・オーシュリー・上原正稔 編著 『青い目が見た「大琉球」』、1987、ニライ社(資料コード:T00017649B)210頁で、「首里王城の図」として紹介されています。

Route de Tchouri, Capitale des îles Lieou-Tchou. 琉球の首都・首里への道(崇元寺の風景)〔資料コード:0000206567〕

 

崇元寺石門(第一門)前で撮影された写真で、右端には当時の沖縄の人々が写っています。
崇元寺は1470年頃に創建されたとされる歴代の琉球国王の宗廟です。沖縄戦で本堂は焼失し、第一門も破壊されました。第一門は1952年(昭和27)に復旧修理され、1972年(昭和47)に国指定重要文化財に指定されました。(崇元寺石門の復旧修理の様子
本写真には「Route de Tchouri, Capitale des îles Lieou-Tchou.(琉球の首都、首里への道)」とありますが、「琉球諸島紀行」では、本写真をもとにした版画に「Sinfouji.-Une route aux Lou-Tchou.(崇元寺-琉球の道)」とキャプションがあります。

●「琉球諸島紀行」に掲載された版画は、ラブ・オーシュリー・上原正稔 編著 『青い目が見た「大琉球」』、1987、ニライ社(資料コード:T00017649B)208頁で、「崇元寺の風景」として紹介されています。

Temple dans la cour du palais de l’Ô-Sama. 王様の神殿(首里城正殿)〔資料コード:0000206567〕

 

首里城正殿が写る本写真には「Temple dans la cour du palais de l’Ô-Sama.(王様の神殿)」と書かれています。
「琉球諸島紀行」では、首里城は「最も傑出した建築物のひとつ」であり、正殿については「われわれを迎えてくれた者たちが『お寺』と呼んでいるように大きな寺院である」と述べられています。本写真をもとにした版画には「Le château royal de Shuri.(首里王城)」とキャプションがあります。

●「琉球諸島紀行」に掲載された版画は、ラブ・オーシュリー・上原正稔 編著 『青い目が見た「大琉球」』、1987、ニライ社(資料コード:T00017649B)209頁で、「首里城正殿」として紹介されています。