米国国立公文書館から収集した太平洋における米国海軍潜水艦戦時哨戒航行図、1942年～1945年を公開しました。（平成19年6月22日）

同資料群は、「海軍作戦部隊記録群」（RG313: Records of Naval Operating Forces）に含まれる「太平洋における米国海軍潜水艦戦時哨戒航行図、1942～1945年」（War Patrol Track Charts of U.S. Navy Submarines in the Pacific, 1942-1945） から収集しました。

航行図には、航行コースとともに日付、時間、場所などが記されているほか、敵船の発見や敵船に対して行った攻撃の日時や場所が記されています。そのほか、撃墜されたパイロットの救助活動や、偵察によって明らかになった海岸線の様子などが記されている場合や作戦報告書が添付されている場合もあります。

戦時遭難船舶遺族連合会編『海鳴りの底から 戦時遭難船舶の記録と手記』（1987年）によると、沖縄県民が乗船し、米艦船や米軍機の犠牲となった戦時遭難船は全部で32隻でした。

米軍は南西諸島海域を「丸の死体安置所（Maru Morgue）」 と名付け、この海域を通る軍艦や輸送船を次々に沈めていきました。よく知られているとおり、学童疎開船の「対馬丸」や民間徴用船「湖南丸」、「嘉義丸」などの悲劇はこの海域で起こっています。航行図から、米潜水艦は艦船の主要航路である鹿児島―沖縄間や沖縄―台湾間で待ち伏せして攻撃を仕掛けただけでなく、沖縄本島周辺まで深く侵入してきていたことが分かります。

沖縄県公文書館では、これまでの米潜水艦に関する先行研究や米国国立公文書館の資料目録を参照しながら沖縄近海で哨戒を行った潜水艦を特定し、収集しました。全54枚。

1944年4月12日、米潜水艦ハリバット号（USS Halibut）が、鹿児島を出航し那覇へ向かう台中丸を奄美大島北西で撃沈した際の航行図