ポール・W・キャラウェイ文書、1925~71年
【出所】
米国陸軍軍史研究所(U.S. Army Military History Institute)
個人文書(Individual Papers)
ポール・W・キャラウェイ文書、1925~71年(The Paul Wyatt Caraway Papers, 1925-71)
【資料群解説】
米国陸軍軍史研究所(U.S. Army Military History Institute)は、ペンシルヴァニア州カーライルにある米国陸軍の研究施設で、陸軍関係者や関係機関から寄贈された資料やオーラルヒストリーなどを所蔵しています。元々は、陸軍大学(U.S. Army War College)の構内にあったため、そこを訪れる研究者からは長い間「カーライル・バラックス」(barracksは兵舎の意味)との名称で親しまれていました。
アメリカによる沖縄統治は終戦直後の一時期を除いて陸軍省が担っていたこともあり、同資料館には多くの沖縄関係資料が収蔵されています。その代表的なものが、高等弁務官の個人文書で、第3代ポール・W・キャラウェイ、第6代ジェームズ・ランパートからの寄贈資料があります。ランパート文書には多くの書簡、電信文、メモ類などが含まれています。初代高等弁務官ジェームズ・E・ムーア(James E. Moore)の文書もありますが、分量は少なく、沖縄関係は含まれていません。
その他、『琉球列島の軍政』(Military Government in the Ryukyu Islands, 1945-50)を著したアーノルド・G・フィッシュ二世が執筆のために集めた資料、『最後の決戦』(The Last Battle)を著したロイ・アップルマンの資料、第2次世界大戦退役軍人コレクションなども寄贈されています。
【シリーズ解説】
ポール・W・キャラウェイ(1905~1985年)は、ジョージタウン大学法学部卒業後、米陸軍士官学校などで学び、第2次世界大戦中は蒋介石の重慶政府の軍事顧問、戦後は東京のGHQの参謀部、朝鮮戦争中は米軍師団長などを歴任しました。第3代高等弁務官として1961年2月に赴任し、1964年7月31日まで務めました。
キャラウェイは、文書29箱、写真10箱分の資料を同研究所に寄贈しています。これらには、陸軍士官学校時代から陸退官後までの公私書簡、スピーチ、記事切り抜き、履歴書などが含まれています。
キャラウェイはまた、スタンフォード大学のフーバー研究所(Hoover Institute)にも自らの関係資料を寄贈していますが、その中にはニクソン大統領アジア歴訪随行に関する文書や沖縄の人々から受けた感謝状の写しなどが含まれています。
【作成期間】1958年~1971年
【数量】24簿冊
【資料種別】文書
【公開年月】2011年3月
【沖縄県公文書館における分類】沖縄県公文書館資料/その他資料/文書/米国収集資料/陸軍/陸軍軍史研究所
【主言語】英語
【原本/複製】ゼロックス・コピー
【公開・非公開】公開
【利用/複写制限】無/無
【検索ツール】沖縄県公文書館資料検索データベースARCHAS
【関連資料群】琉球列島米国民政府文書(USCAR文書)
【他機関所蔵関連資料】スタンフォード大学フーバー研究所所蔵ポール・W・キャラウェイ文書(Papers of Paul Wyatt Caraway, 1953-64)
【主な参考文献】
大田昌秀『沖縄の帝王 高等弁務官』(久米書房、1984年)
宮城悦二郎『占領27年 為政者たちの証言』(ひるぎ社、1993年)
仲本和彦「在米沖縄関係資料調査収集活動報告IV: 軍資料館、大学図書館編」『沖縄県公文書館研究紀要』第11号(2009年3月)、1~16頁