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お知らせ

虫害から資料を守る ― 低酸素濃度処理装置

燻蒸(くんじょう)とは、資料の入った空間を密閉し、薬剤が気化したガスを用いて虫やカビを殺すことです。

当館は、2004年まで、臭化メチルと酸化エチレンの混合剤であるエキボンを使用した薬剤燻蒸を実施していました。
しかし、臭化メチルが温室効果ガスの一種であることが判明し、モントリオール議定書により先進国での使用が全廃になった
ことや、薬剤が資料や人体、環境に与える影響を鑑みて、2005年末に窒素ガス注入型低酸素濃度処理法を導入しました。
薬剤を使用せずに、殺虫効果を得ることが出来ます。

装置の扱いは簡便であり、館のスタッフが庫内に資料を搬入して操作します。
装置の稼働中は、朝夕の2回、庫内その他の酸素濃度・温度・湿度等を記録して、状態を監視しています。
庫内の容量により、一度に処理できる量が限られているうえ、約3週間(500時間)の低酸素状態が必要なため、
装置は年間フル稼働しています。

ただし、低酸素濃度処理法では、殺菌効果が期待できません。
このため、公文書館では、適切な温湿度管理や衛生管理などを組み合わせることで、カビの発生を防ぐよう心がけています。