1966年3月17日 ジェミニ8号が沖縄本島東方の太平洋上に着水
ジェミニ8号は、米航空宇宙局「NASA」が6度目のジェミニ計画で用いた有人宇宙船です。この宇宙飛行では2機の宇宙船によるドッキングが史上初めて行われました。
1966年(昭和41)3月16日、ジェミニ8号を乗せたロケットは打ち上げに成功し、切り離されたジェミニ8号のカプセルは、先に打ち上げられた無人機のアジェナ標的衛星に接近しドッキングに成功しました。しかし、ドッキング後にジェミニのカプセルが回転し始めたため、ニール・アームストロング船長は急きょカプセルをアジェナ標的衛星から切り離すことを決断しました。分離は成功しましたが、この操作により燃料が残り少なくなり、計画した任務をすべて中止し、地球への緊急帰還を決定しました。飛行士を乗せたカプセルは3月17日に沖縄近くの太平洋上に着水しました。
着水から3時間後に米駆逐艦メイソン号はカプセルを回収し、デービッド・スコット、ニール・アームストロングの両飛行士を乗せて、3月18日午前9時15分に那覇軍港に到着しました。
2名の飛行士はこのあと嘉手納空軍基地に移動し、航空機で帰米しました。ジェミニ8号のカプセルは、那覇軍港に陸揚げされた後に米国へ送られました。
「17日沖縄東方に着水した米人工衛星船ジェミニ8号のアームストロング、スコット両宇宙飛行士、午前9時15分那覇軍港に到着」1966年 3月18日 琉球政府関係写真資料069 [019386]
「甲板上のジェミニ8号カプセル」1966年 3月18日 琉球政府関係写真資料069 [019413]
「ジェミニ8号の宇宙飛行士救出に活躍した沖縄」『守礼の光 1966年6月』琉球列島米国民政府広報局【U00000429B】
撮影場所:那覇市寄宮 1968年1月3日 USCAR広報局写真資料075 [260CR-38_0175-04]
【和訳】 ジェミニ8号モデル機の展示
ジェミニ8号のモデル機の展示が元日から1月15日まで那覇琉米文化会館で行われる。宇宙飛行士ニール・A・アームストロング氏とデビッド・R・スコット氏が乗り込んだジェミニ8号は1966年3月16日に米国フロリダ州ケープケネディから打ち上げられ、アジェナ標的衛星とのドッキングに成功した。この歴史的偉業の後で8号機は太平洋に着水し、沖縄に持ち込まれた。那覇での展示の後は引き続き1月16日から30日まで石川文化会館、2月1日から15日まで名護文化会館で開催される。
アームストロング船長は、ジェミニ8号搭乗から3年後1969年(昭和44)7月のアポロ11号計画で史上初の人類による月面着陸に成功し、月面に降り立った最初の人物となりました。また、スコット氏も1971年(昭和46)7月のアポロ15号計画では船長として搭乗し、月面に降り立ちました。
【アポロ11号計画に関するニュース記事】
・「ランパート高等弁務官、久米島を視察/月面に立つ人類~アポロ11号の偉業(伊志嶺安進)」『今日の琉球 第13巻09号』(1969年09月)琉球列島米国民政府広報局【0000247825】
【関連サイト】
・NASA(アメリカ航空宇宙局)HPジェミニ8号、宇宙で初のドッキング