USCAR文書とはどのような資料ですか?
USCAR文書について
USCAR文書とは、琉球列島米国民政府(USCAR)が作成または収受した資料群です。
沖縄の日本復帰時に米国に移管され、現在はワシントン郊外のメリーランド州カレッジ・パークにある米国国立公文書館に保管されています。
沖縄県は1997年度(平成9)から2003年度(平成15)までの間、撮影コマ数にして約350万コマを撮影収集しました。同事業は東京の国立国会図書館との共同事業で、国立国会図書館はマイクロフィッシュ、沖縄県公文書館はマイクロフィルムとデジタル(一部のみ)で利用に供しています。
USCAR文書は米国への移管が始まった1969年(昭和44)時点の部局を基に16の資料群に大別できます。
2018年(平成30)現在、法務局の一部を除いて利用に供されています。
USCARとは
沖縄統治のための米国政府の出先機関。正式名称は琉球列島米国民政府(United States Civil Administration of the Ryukyu Islands)で、単に「米民政府」「民政府」あるいは「ユースカー」(USCAR)などと称されていました。
USCARは、1950年(昭和25)12月5日に米極東軍総司令官が在琉球米軍司令官に対して発した「琉球列島米国民政府に関する指令」(いわゆるFEC指令)に基づいて、それまでの軍政府に替わって12月15日付で新たに設立されたものです。
当時、沖縄の統治は司法・立法・行政の全般にわたって、民政長官と民政副長官の指揮のもとに米国民政府を通じて行われました。東京にいた民政長官が沖縄統治の全般的責任を負っていましたが、その権限の多くは沖縄にいた民政副長官に委任して行使させていました。
1957年(昭和32)6月5日公布の「大統領行政命令」により民政長官の職は廃止され、民政副長官が高等弁務官となりました。以後、高等弁務官は沖縄の日本復帰(1972年)まで米国民政府の長としての地位にありました。
『沖縄大百科事典』下巻(沖縄タイムス社、1983年)412~413頁
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